ちっこいはなし

たのしいせいかつ

カンダタ

いちいち共感してたらキリがないし、それって私の体力の無駄じゃないの?と思ってしまう。人生の浪費はもったいない。誰だってうまくいかないと疲れるしそりゃ愚痴の一つや二つも言いたくなるけど、そんな人を見たとき私は頭の中がぐちゃぐちゃになる。怒りでも悲しみでも後悔でもないダークマターが脳内でぱんぱんに膨れて頭が痛くなる。だから距離を置きたいけど、そんな「弱い自分」に依存している。
自分自身を気味悪く思う。でも自分を爪弾きにする環境も気味が悪い。自己愛も行きすぎると自傷だ。みんな傷だらけでかわいそうだね。興味はないけど事務的に口を開く。
少し温情を垂らしただけで肋骨が浮き出た人たちが集まってくる。手を伸ばす仕草は祈ってるみたいだけど、そうだとしたら世界で一番暴力的な祈りだ。
本当に苦しくて言ったんだろうとは思うけども、なんだかなあ。同族嫌悪が一番近いけどサメとシャチぐらい違う。もやもやが肺でしばらく滞留してから、呼吸に混ざって消えていく。