ちっこいはなし

たのしいせいかつ

隔靴掻痒366

形容詞だらけの生活をしている。もどかしい、恐ろしい、苦しい、馬鹿馬鹿しい、おかしい、腹立たしい、恥ずかしい。反面動詞の欠乏が気にかかる。「生きる」くらいしかしていないから当然か。
「もどかしい」が多すぎる。人前じゃ言葉がまとまらない。まとまっていた言葉も離散してしまう。うまく発声できない。歩き方がおかしくなる。自分の一挙手一投足がとんちんかんな気がしてくる。
それに、人の多い場所にいると、頭から抽出できる語彙が乏しくなる。これには最近気付いた。パターン化してくるのだ。腐ってひねくれた感情に気をとられていると、思いやりとか優しさが消しゴムみたいに擦りきれてなくなってしまうのだろうか。
明日こそは上手くやろうと意識しすぎて逆に空回りしてしまう。尚更怖くなって、それを餌に自己嫌悪がぶくぶくと醜く肥えていく。
自分も他人も嫌いなことも、粗探しをしてまで他人を見下すのも、思春期に陥りがちなあるあるネタだって一蹴されたらなんか嫌だ。でもそれって特別な自分に陶酔しちゃってるだけで、それこそあるあるなんじゃないかって怖くなる。知らぬ間に無限ループから脱却できなくなっていく。またもどかしくなる。振り出しに戻っている。
でも一番もどかしいのは、外側だけを何度も変えて同じ事を言うしか能がない自分なのだろう。かゆい所に手が届かない。