ちっこいはなし

たのしいせいかつ

食らうクラウド

人格が矛盾する。一人でいると全部が好きで、誰だって愛したい。その誰かに会うと疲れてしまう。肺が硬い。面倒くさいから眠っていたいけど腹が減るからそれも面倒くさい。
腹が減っても食欲は別にないけど、空腹感ってある種の快楽だ。気持ち良くてくらくらする。みんなそうなの?
たくさんの人のことを知りたい。どんな考え方してる?それはどのようにして養われたの?何が好きで何が嫌い?どうして?喜劇と悲劇ならどっちが好き?今まで生きてきて一番感動したことは?
「何かをやりたい」で行動したことがわりかし少ないと気づいた。原動力というか行動理念が「何かを避けたい」ばかりで嫌になる。死にたくないから生きているだけで、なのに策のない希望ばかり増えてゆく。創作をやるのは「やりたいから」のはずなのに、雇用されて労働するのを避けたいだけに思えてきて何も分からなくなる。私の感情は私のものじゃない。
気がつけば人格というものは外側からの力で形成されていて、それをあたかも生得的なものであるかのように振り回す。これ恐ろしくない?陰謀論じゃなくて一般論。そこから抜け出したとき初めて「自我」を得るというのなら、私たちはまだ発達途上だ。孵化前夜。
正しくならなきゃいけないから私たちは哲学が大好きだ。でも何らかの斥力が慣性になって私をここに押し留めてしまう。モラトリアムの出口。無慈悲な横スクロール。脅迫。子どもでいたいのは大人になって責任を負いたくないからだ。
杜子春の気持ちが分かるような気がする。